数年前地元の焼酎蔵の杜氏がそんなことを言っていた。
赤ちゃんは最初にお母さんの母乳を飲む。これは安心な食べ物だと感じ、美味しいと感じる様になる。
自分達も今まで食べた経験から美味しそうとか、これは食べたら危ないとか判断する。
自分が美味しそうと思うものと人が美味しそうと思うものはちょっと違ったりする。
ビールなんて最初から美味しいと思う人はいないのではないだろうか、
それが慣れてくると美味しく感じるようになる。
そしてそれを追求すればするほど、さらに個性的な未知の領域に入ってくる。
追求しすぎると一般の人は美味しくないと感じるが、自分は美味しいと感じるようなものに仕上がったりする。
商品開発を色々やってきて、ほんとにそうだなぁと思う事が多くなってきた。
自分の作っている商品はどのような人達に美味しいと言ってもらえる商品にしたらよいのか。
その答えは自分で決めなければならない。
先日下園薩男商店の直売所イワシビルのスタッフ全員に色んなお茶を飲んでもらった。
ワインボトルに入って1万円するお茶、鹿児島の有名な高級お茶、コンビニで買った茶葉で作ったお茶、
ペットボトルのお茶、ジャワティー、ペットボトルの無糖紅茶等々。
それをすべて同じボトルに入れてわからないようにし、それぞれ同じ温度帯で同じグラスに注いで飲んでもらった。
結果は見事にバラバラ。1万円するお茶を選んだ人はいなかった。
でもそれを元々入っていた容器でそれぞれどうやって作られたかを
説明しながら飲むと印象が変わってくる。
美味しいのは当たり前。それ以外に心惹かれるような安心できる商品を作っていきたいものだ。
三代目 下園薩男