2018/06/14 20:53
神戸に来ている。
いつもなら色々調べてくるのだが、今回はあまり時間が無く、どこにいこうか明確に決めていなかった。鞄の中に入っていた橋本忍さんの本「複眼の映像」。それを見ると出身が兵庫県と書いてあり、神戸から1時間半ほどの生まれ故郷に記念館もあるらしい。運命だなぁと思いながら記念館に向かった。
黒澤明監督の脚本家としても有名で羅生門や七人の侍、その他にも監督デビュー作の「私は貝になりたい」、製作者として八甲田山など日本を代表する脚本家だ。自分はどんなものを聞いたり読んだりしても、全て経営と商品開発に置き換えて考えてしまう。24時間365日、常に考えている。
シナリオの書き方も商品開発や経営の考えかたととても似ているなと思いながら読んだ。その本の中ではどのようにして黒澤監督とシナリオを作っていったかが書かれている。そして黒澤監督の最高傑作とも言える七人の侍を作る。黒澤監督はそれ以上のものは今のやり方ではできないと、それ以降シナリオの書き方を変更する。自分も下園薩男商店と三代目下園薩男として考えに考えて作り上げた「旅する丸干し」はどうしてもこれ以上のものは作れないと考えていた。
橋本忍さんや黒澤監督の手法を商品開発に取り入れてみたい、そして七人の侍以降どのようにシナリオを作り上げたのか。とても参考になる。
何かを作り人に伝えるという事に関しては、手法が全てに通じているように思える。そしてその方程式は実行する人によってそれぞれ違う。それをどうとりいれるか考えながら自分自身の方程式を導いていく。橋本忍さんの1/3法という1/3仕上げて調整しながら進めていくというやり方。これはスノーピークの後藤さんが言っていた行き当たりバッチリと同じように思えるし、松下幸之助さんの6割いけそうだったらGOをだすという考え方とも同じように思える。つきつめて考えていくと色んなものがつながってくるし、それは自然と神様が導いてくれているような気がする。運に気付くかどうか、その準備ができているかどうか。しっかりと考えはするけど臨機応変に運命に任せて人生を楽しむ。
これに気付けるようになった38歳。